2010.10.21
「THE CHANCE」チャンスをつかんだ4人の高校生
来年1月、イングランで開催される最終セレクションへの挑戦権。10月17日、希望と才能に満ちた4名の若きフットボールプレーヤーがチャンスをつかみ取った。
■酒井宣福/帝京長岡高校3年 FW/MF
「憧れの選手はウェイン・ルーニー」と語る帝京長岡高校の酒井選手。
恵まれた体格で、集まったメンバーの中でも、ひと際、強い存在感を放った。屈強なフィジカルを生かしたボールキープや球際の強さ、さらに巧みなボールコントロールは、まさに憧れのルーニーそのもの。
既にJクラブの練習にも参加し、プロのレベルを体感していることもあってか、「緊張もしなかったし、プレッシャーも感じることはなかった。余裕を持ってやれた」と貫禄のコメント。
「自分は他人よりも身体が大きいけど、向こうではより大きな選手がいる。イングランドでは相手とうまく駆け引きをして、マークを外せるようにプレーしたい」と最終セレクションへの意気込みを語った酒井選手は、「将来はマンチェスター・ユナイテッドに入って、ルーニーから・ポジションを奪いたい」と夢を表現した。
■木下ロベルト/益子芳星高校3年 FW/MF
緊張感の漂うセレクション中も、「楽しくプレーできた」という益子芳星高校の木下選手。
高度なテクニックと正確なコントロールショットを武器に、ゲーム形式のテストではゴールを量産。高校ではアシスト役に徹することが多いようだが、この日は得点センスを生かし、ゴールへの積極的な姿勢を貫いていた。
ペルー系3世の木下選手の持ち味はドリブル。ピッチでは独特なリズムを刻み、時折、見せるトリッキーなプレーで取材陣の注目を集めた。「理想」と語るロナウジーニョのような"魔法"で、見事にイングランド行きの切符を勝ち取った。
最終セレクションに向けても「楽しみたい」と力強くコメントし、"本場"イングランドでの魅せるプレーを約束してくれた。
■平野伊吹/尚志高校3年 MF
尚志高校の平野選手は、スピードとテクニックを駆使してイングランド行きの切符を手に入れた。
「自分が選ばれると思わなかったので驚いた」と緊張気味に語っていたが、そのプレーには輝くものがあった。
トップスピードに乗ったドリブル、柔らかなトラップ、精確なパスとシュートで数々の好機を演出。その姿は、平野選手が「目標にしている」と話すアンドレス・イニエスタを連想させた。
「イニエスタのような判断力を養うために、意識して普段のトレーニングに取り組んでいる」
飽くなき向上心と明確な目標を持ったアタッカーは、イングランドでも躍動してくれるはずだ。
■宮崎弘輝/法政大学第二高校3年 MF
全国大会の予選でチームが敗れ、約1ヶ月前に高校サッカー部から引退しいた宮崎選手。実戦から遠ざかっていたことのデメリットは少なくなかったかもしれないが、技術は裏切らなかった。
ゲーム形式のテストでは、華麗なループシュートを皮切りにハットトリックを達成。強豪校の選手らが名を連ねる中で、圧巻のパフォーマンスを披露してくれた。
「ボールタッチには自信があった。FWをやっていたこともあって、ゴール前でのプレーは得意ですし。飛び出しも自分のストロングポイントだと思います」と自らを分析する宮崎選手は、「海外に行くチャンスはそんなにない。個人的には強い相手とやっても力は出せていたし、自信はあった」と言葉を続けた。
キャリアや実績よりも重要なもの。確かな技術と大きな自信が、世界への扉を開くための原動力となった。
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