2010.11.25
「THE CHANCE」最終セレクションに挑む平野伊吹選手の思い
2011年1月19日~23日に、イングランドで開催される「THE CHANCE」の最終セレクション。世界40カ国から難関をくぐり抜けた100名の選手が、1年間のイングランドでのサッカー留学をかけて競い合い、最終メンバーの8名が選ばれる。日本を代表してこのセレクションに挑む4名の選手は、今、何を思うのか。尚志高校3年の平野伊吹選手の言葉に耳を傾けてみよう。
【最終セレクションに向けての意気込み】
「当然、(最終合格者の)8人に入るつもりでイングランドに行きます。自分の長所はドリブルとスルーパス。この2つは海外の選手にも負けたくないですね。世界で日本人選手が通用するところを見せたいですし、技術とかドリブル、スピードでは絶対に負けないようにして8人に残りたいと思います」
「海外の選手はイメージ的にフィジカルが強そう。サッカーに取り組む姿勢も学べる点が多いと考えています。ガッツというか必死さというか、そういう部分を吸収したいなと」
【普段の練習で心掛けていること】
「部活の練習の後、自主練はほぼ毎日行っています。メニューはロングパスやシュート、ランニングなど、1カ月くらいのスパンで重視するメニューを変えていますね。まるまる一日が休みという日はありません。ボールにはできるだけ触るようにしています」
「イングランド行きが決定してからは、普段の練習に取り組む姿勢が変わりました。海外の選手はスペースの取り方や距離感が日本人選手と違うので、相手を想定しながらトレーニングに励んでいます。中学時代にイタリアに行ったことがあるんですが、その時も間合いというか距離感の違いはすごく感じたので、当時を思い出しながら練習をしています。それと、これは日頃から心掛けていることですが、相手がプレッシャーを掛けにくる場面を常に想定して、ファーストタッチのボールの置き所には注意していますね」
【将来の目標】
「もともと、ミスをすると引きずってしまうタイプ。でも、上のレベルでは、それでは終わってしまうと思うので、自分を変えていきたいと思います」
「近い目標としては、まず高校で日本一になりたい。大学でも日本一になって、それからプロに挑戦したいです。最終的には海外でプレーできたら。そこを目標に努力していきたいですね」
【尚志高校サッカー部の仲村監督からのメッセージ】
「平野は(日本でのセレクションに)受かるんじゃないかなと思っていました。僕の目からから見ても相当良い選手になってきたので。彼の武器は高速ドリブル。うち(尚志高校)では、各自の個性を生かす練習を心かげています。ドリブルが好きな子はドリブルを、パスが得意な子はパスに磨きをかけて、各自の特長がチームとして機能するようにと考えています。平野は視野が広いので、パスのセンスにも非凡なものありますね」
「平野は賢い分、あきらめが早いところもあります。本気でプロを目指す選手がどんなものなのか、それを目の当たりにしてきてほしい。大切なのはハングリーさ。僕が100回言っても伝わらないことが、今回のような舞台では、一回の経験で分かることもあるんじゃないかと思います」
「海外には同年代で既にプロで活躍している選手もいるし、日本にもトップレベルでプレーしている同年代の選手がいる。とにかく上を見てほしい。上を見ないと、次のレベルにはいけないですから。最終セレクションでは、とにかく積極的に、図々しいくらい積極的にチャレンジしてほしいですね」
自分自身を「ミスをすると引きずってしまうタイプ」と分析し、「自分を変えていきたい」と語る平野選手。世界中から上を目指すプレーヤーが集まる最終セレクションでは、平野選手が「必死さ」と表現し、仲村監督が「ハングリーさ」と語ったものを吸収できるはずだ。そして、その経験が平野選手を次のレベルへと導くことだろう。
「THE CHANCE」の最終セレクションまで残り2カ月を切った。NIKEFOOTBALLでは、平野選手とともにイングランドに渡る木下ロベルト選手、宮崎弘輝選手、熊田陽樹選手のインタビューに加え、最終セレクションまでの4選手の挑戦をリポートし続ける予定なので、欠かさずチェックしてほしい。もちろん、彼らのライバルとなる各国の選手についても近日情報を公開する予定だ。
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