1月にロンドンで開催された「THE CHANCE」最終セレクション。厳しいトライアルの合間に、世界的な名選手たちがチャンスに挑戦する選手を激励に訪れた。彼らが若き挑戦者のために語った自身の経験や言葉から、チャンスをつかむためのヒントを探ってみよう。

■ラファエル・ファン・デル・ファールト「僕は10歳の時、オランダの名門クラブのアカデミーに入団することができた。最高のコーチ陣に恵まれて、最高の環境でサッカーに取り組むことができた。毎日上達したよ」

「本当に夢のようだったけれど、その環境にたどり着くのは簡単ではなかったよ。
スピードがある選手ではなかったし、弱点もあった。でも、チャンスをつかむために出来ることはすべてやったんだ。苦手なことを克服できるように、毎日ハードワークをこなしたよ。運も必要かもしれないけれどね。最終的にトップチームでデビューすることができた日は、それまでの努力が報われたと感じた。今でも鮮明に覚えているよ」

「オランダからドイツのリーグにステップアップした時も、色々学ぶことはあったよ。ドイツはフィジカル面でとても激しいリーグだった。だから適応するためにたくさん練習をして、さらに成長することができた」

「スペインでは、メンタル面で成長することができた。調子が良くても起用されないことがあって、とても苦しい時期だった。だからこそ、難しい状況でもポジティブに考えられるようになったんだ。セレクションを受けるキミたちも、仮に8人に残ることができなくても得られることがあるはずだ」

「セレクションの場で大事なのは、自分らしくプレーすることだ。自分をアピールするいい機会だけれども、チームプレーヤーであることを忘れてはいけない。準備はしっかりすることだね。緊張せず、しっかり休むことが大切だ。ここまで来れたのだから、自信を持とう」

「良い選手になろうと思ったら、目標をしっかり設定することだ。僕もそうすることで、少しづつ成長することができた」

■マイケル・エッシェン
「僕が言いたいことはシンプルだ。試合を楽しめ。頑張りすぎるな、本来の自分をしっかり見せるんだ」

「アドバイスとしては、リラックスして水をよく飲み、食事、睡眠をしっかりとることだ。超一流の選手たちは、自分をリラックスさせる方法をちゃんと知っている」

■ルイス・フィーゴ
「成功するためにハードワークをこなしたし、多くの犠牲を払ったよ。チャンスをつかむためには、フットボールに身を捧げる必要があるね。例えば、友達から遊びに誘われても、15～20年間はフットボールに捧げよう。自分の夢をあきらめなければ、絶対にチャンスは訪れるはずだ」

「常にポジティブでいよう。たとえセレクションに落ちたとしても、これが最後のチャンスではないのだから」

■ジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト
「プロでプレーするのは、7歳の時からの夢だった。その夢を実現するまでに、難しい時はもちろんあったよ。友達が外で遊んでいる時に、自宅で過ごさなければいけないこともあった」

「順調にステップアップすることができて、バルサやアーセナルといった世界的なビッグクラブでプレーできたのは、本当に素晴らしいことだった。ベンゲル監督からも色々学ぶことができた。プロフェッショナルとしての過ごし方や食事、トレーニング、そして休息の取り方などあらゆる事をね」

「セレクションに参加する選手たちには、このチャンスをつかめなかったとしても経験を活かしてほしい。努力を続ければ、また違うチャンスをつかめるかもしれないからね。残った8人には、最高のチャンスなので全力を注いでほしい。チャンスをつかめ」

世界のトップレベルで闘ってきたスタープレーヤーたち。彼らは異口同音に「ハードワークが必要だ」と語りかけた。その言葉は、「THE CHANCE」最終セレクションに参加した選手たちだけでなく、さらなるレベルアップを目指すすべての若き挑戦者にとって、重要なヒントとなるはずだ。