ロンドンへの過酷な道。予選グループで首位の座を明け渡し、苦境にさらされていた日本を救ったのは、チームに復帰した原口元気だった。
　
大量得点を命題とされたマレーシアとの一戦。2点リードで迎えた後半立ち上がり、右サイドからのクロスに対し、圧倒的なスピードでファーサイドへ走り込んだ原口は、迷うことなくダイレクトボレーを選択。ボールは勢い良くゴールネットを揺らし、日本をさらに勢いに乗せる追加点を奪った。
　
「今日は必ずゴールを決めようと思っていた」
　　
誰よりも強い気持ちを持って闘いに臨んだ有限実行の男は、ゴールシーン以外にも、鋭いドリブル突破や積極的なシュートで度々攻撃のリズムを創り出した。
　
どんな逆境、どんな状況でも、自らの武器を信じ、果敢に仕掛ける。それが、原口元気の個性だ。

NFTBを身にまとい、個性を磨く日々。視線の先にあるロンドンへ向かって、原口はさらに加速していく。