chance_0801_640.jpg

2012.08.01

【THE CHANCE】国内スカウト統括の風間八宏氏が語る日本人選手の可能性

世界規模のスカウトプロジェクト「THE CHANCE」。

全国各地から選りすぐりの精鋭47人の選手たちが参加したジャパンファイナルで、2日間の厳しい競争を勝ち抜いた滝川第二高等学校のFW木下稜介選手、桐蔭学園高等学校のDF冨澤右京選手、鹿児島実業高等学校のMF山之内優貴選手の3名が、グローバルファイナルへの切符を手に入れた。

彼らを選出した国内スカウト統括の風間八宏氏が、その選出理由と、日本人選手の可能性について語った。

風間氏の言葉に耳を傾けよう。

pc_sub1.jpg

■風間八宏氏
──2日間、子どもたちを見てきて、どんな印象を持ちましたか?
「やはりその気できているなというのを強く感じました。よく日本の選手はおとなしいとか言われているが、まったくそういうところがなく、それぞれが初めての選手たちとも協調して、そして自分を出して、日本人選手たちの良さが出た、非常に有意義な2日間だったと思います」

──それは新たな発見、驚きでもありましたか?
「そうですね。これだけのレベルの選手たちが、これだけ強い気持ちで来ているというのは本当に新たな発見ですし、前回大会に比べて、本当に洗練されていた。全国から、時間を使いながら、たくさんの選手たちが集まってくれた」

──木下稜介選手の選出理由は?
「3人とも言えることなんですが、身体的な特徴があるということ。そして、伸びしろですね。まだまだ幅、つまりボールが届く範囲もそうですし、視野もそうです。こういうものが広がるんじゃないかと思いました。非常に楽しみな選手です」

──冨澤右京選手の選出理由は?
「彼は、多少後ろの守備という弱点はあるのですが、前にものすごく速いこと。それからボールがしっかり扱えることですね。ボールを持って自信がある。スピードに自信がある、というのがすごく我々に伝わってきたということです」

──山之内優貴選手の選出理由は?
「彼は、まだまだこれから伸びる選手。今の中でいえば、他の選手のほうが良かったかもしれませんが、彼は身体能力も含めてすごく伸びしろがあるんじゃないか。それから自分の気持ちを表現することが非常にうまくできていた。この3人は、少し我々の中ではぐっと目に入ってきたというのが共通点です」

──日本人選手が海外で活躍するために必要なことは?
「彼らは十分にそれだけのものを持っていると思いますが、一つはフィジカル的なものです。スピードや体格といったところです。その辺に特徴を持つ必要性がある。それから状況判断の良さ。その辺をしっかりつかまなければならない。ドリブルができればいい、パスができればいい、という世界ではないですから、相手をどう倒すか、そのためにどんなプレーができるか。当然技術の種類も必要ですが、常に多くの判断材料を持つこと。相手を見ながら、しっかりプレーしてきたもらいたいと思います」

──彼らのプレーで世界は驚くでしょうか?
「ぜひ驚かせてもらいたいなと。前回もあと一歩のところまで何人かいきましたので、今回は彼らが、今日ぐらい自信を持ってやってもらいたいですね。そして自分たちの強さ、特徴を出してほしいと思います」

──ファイナルに進む彼らにもう一度メッセージをお願いします。
「ここでのプレーは素晴らしかったですから、このプレーを、言葉のわからない国、あるいは本当に慣れていない場所でも、堂々と出してほしい。一番は自分が望むこと。これができれば、この3人は十分大きなチャンスを持っていると思いますので、がんばってきてほしいというふうに思います」

──惜しくも選ばれなかった子たちが、このセレクションでつかんでほしいものとは?
「特にはありません。というのも、ほとんどの選手が、彼らの顔が見えた。組織の中に埋まっている選手は一人もいませんでした。そういう意味で非常に我々も選考が難しかったです。その中で、今の段階で選んだというだけですから、落ちた彼らにも十分チャンスがあると思いますし、非常に質の高いプレーを見せてくれてましたので、大いに期待したいですね。こういう企画はどんどんやっていくべきだと思います。いろんなところで、こういうことがあれば、それぞれの刺激になる。こういう環境をたくさん作って、もっと日本のフットボールを盛んにしてほしいと思いますし、今は世界中でプレーできますから、自分が何を目指すか、そのためにしっかり練習してほしいなと思います」

※ジャパンファイナルの写真は、こちらから御覧いただけます。(PC、またはスマートフォンからご覧ください)

【関連するキーワード】
THE CHANCE 2012, THE CHANCE JAPAN,

mixiチェック