2012.08.29
【THE CHANCE】コーチの言葉から世界への道を探れ
世界各国から55カ国総勢100名がバルセロナに集い、プロになるチャンスを目指すスカウトプロジェクト「THE CHANCE」。
日本からは、最後の16名に滝川第二高等学校のFW木下稜介選手が選出された。その理由を、ファイナルで木下選手のチームで指揮を執り、英国でも数々のクラブの育成に携わったダレン・ジョーンズ氏に聞いた。
今後プロを目指し、海外での活躍を夢見る日本人選手がどのように自分を成長させていけば良いのか、ジョーンズ氏の言葉から探ってみよう。
「木下選手は(グローバルファイナル3日目の)8v8のミニゲームを見ていて、私の目には良い選手だと映りました。良いクイックネスを持った選手だと思います。日本人選手全体の特徴として言えることですが、皆運動能力が高く、ダイナミックな選手が多いですね」
「彼はボールを持っているときに落ち着いたプレーを見せました。フェイントで相手を翻弄しながらも、直後にはシンプルなプレーを選択しました。それがとても私の印象に残りました。世界最高の選手にしてもそうです。良い選手は皆、基本がしっかりしています」
「木下選手と不合格だった選手に、大きな差はありません。規律、ハードワークを持っている選手は好感が持てます。そういう選手は成長するものです。私は、スーパースターのように振る舞う選手よりも、誠実な選手と一緒に仕事をしたいと思います」
「ただし、16人に選ばれることがゴールではありません。ここからが本番なのです。15万人の選手の中から16人に選ばれたこと自体すごいですが、ここからさらに体力、精神力を向上させなくてはいけません。彼はもう子どもではなく、大人の仲間入りをするのです。世界中を回るツアーに参加する中で、自分の力で監督やコーチ陣に印象づけていかなくてはいけません」
「プロになれるかどうかは彼次第です。欧州の主要リーグですぐに契約するのは難しいかもしれないけれど、どこかの国でプロになれるかもしれません。例えば、今マンチェスターで活躍する選手などは、ロシアでキャリアを開始させて、ギリシャ、モロッコ、バルセロナ、そして今はイングランドで大金を稼いでいます。自分を信じていけば、いつかどこかで花開くかもしれません」
他のコーチ陣からも「素早く、運動能力が高い」と評価されていた木下選手。彼自身、このTHE CHANCEでは自分の武器であるスピードやドリブルを積極的に出していったと語っている。
これから世界を舞台に活躍を目指す選手にとっては、日本人選手の特長である「規律・運動量・戦術理解」といった部分をベースに、しっかりと自分の持ち味を表現していくことがチャンスをつかむヒントになるかもしれない。
※グローバルファイナルの様子はこちらからご覧いただけます。※PC、またはスマートフォンよりご覧ください。
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