2011.01.24
「THE CHANCE」最終セレクション-TRIAL DAY2
最終セレクションの2日目は、午前中にフィジカル能力を数値化するSPARQテスト、午後から8対8形式でのゲームテストが行われた。
SPARQテストでは、熊田陽樹選手が100人中トップの成績を記録。現地のSPARQスタッフから称賛を受けた。また、宮崎弘輝選手、木下ロベルト選手、平野伊吹選手もハイスコアをマークし、日本人選手がフィジカルの面でも世界に通用することを証明した。
特に持久力をテストするヨーヨーテスト(シャトルラン)では、25人に分けられた中で日本人選手4名がラストの5人中4人に残る高記録を達成。午後のゲームテストでも、各選手がスピード、ドリブル、パスなど、4人ぞれぞれが自分の"武器"をアピールし、言葉が通じない中でも積極的にジェスチャーでコミュニケーションを取るなど、闘う姿を見せつけていた。
この日のトライアルを見守ったナイキアカデミーのディレクター、ヒュー・ジェニングスは次のような言葉を残している。
「『THE CHANCE』は前例のないイベントと言えるでしょう。ユースレベルからプロへと移行する一歩手前の年齢層に属する選手たちに、その困難な"一歩"を踏み出すための手助けをし、彼らに将来への扉を開くきっかけを与えるものだらかです」
「短期間に凝縮されたトライアルですが、その中で、技術、戦術理解力、身体能力、そして人間性を含む精神力といったすべての要素を確認します。各国でのセレクションを乗り越えた選手たちですので、ボールタッチやコントロールといった基本技術は十分なものを備えています。そのことは、初日の練習でも明らかでしたね」
「フットボールにはその国の文化が反映されます。例えば、ブラジルのスタイルには華やかでリズミカルなイメージがあり、イングランドには「不屈の闘争心」に代表されるようなタフなイメージがあるでしょう。そして、日本の武器はテクニック。そのイメージが正しいことは、今回のセレクションでも痛感しました。フットボールには国ごとのDNAが根づいているのです。そのDNAの違いによるレベルの差は、日に日に縮まってきていると思います」
さらに、ウルグアイから参加しているイグナシオ・サルゲス選手は日本人選手の印象について、こう語っている。
「日本人はフィジカルがずば抜けていて、力もあるし、テクニックもある。そして、一番大事なボールを持った時のテクニックはすごくいいものを持っている。もう少し球離れを速くすれば、さらに恐い存在になると思う。テストで感じた印象としては、特にスタミナが驚異的だったね」
多くの有能な若手を見続けてきたヒュー・ジェニングスが日本人選手の武器に挙げた「テクニック」は、技術に定評のある南米の選手もが認める高さにある。自分の力に自信を持つこと。チャンスをつかみ取るためのヒントは、そこに隠されているのかもしれない。
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