2011.01.31
李忠成 ヒーローは生み出されない
史上最多となる4度目のアジア制覇。延長戦までもつれ込む熱き闘いに決着をつけたのは、李忠成の左足だった。スコアレスで迎えた延長前半8分、ピッチに送り出された李は、そのわずか11分後、歴史的なゴールをマークする。
出場から11分でチームを栄冠へと導いたヒーロー。しかし、ヒーローは偶然、生まれるわけではない。
大会初戦、李は最初のチャンスで自分を出し切ることができなかった。迎えた"祖国"との一戦では、仲間の負傷交代により出場のチャンスを失った。
しかし、李忠成は準備を怠らなかった。そして、自分を信じ続けた。
「俺がヒーローになる」。タイトルを駆けた大一番、指揮官に名前を呼ばれた李は自分にそう言い聞かせてピッチに登場した。
そして、彼はヒーローになる。MERCURIALを武器にスピードを生かした駆け引きと一瞬の加速で相手の裏を取り、長友佑都からのクロスに合わせて左足を一閃。その時、日本は歓喜に包まれた。
自分を信じ続ける強さ。
それが、ヒーローの条件だ。