優勝まであと勝ち点「1」で迎えた敵地での一戦。トロフィーを手繰り寄せる一撃を決めたのは、やはり10番を背負うエースだった。

0-1で迎えた73分、ハビエル・エルナンデスが獲得したPK。大きな期待を一身に背負ったウェイン・ルーニーは、時間をかけて高ぶる気持ちを鎮め、ただゴールを決めることに集中した。

勝利への渇望、たゆまぬ練習、揺るぎない自信。そのすべてを右足に込め、精確なシュートをゴール左隅へと突き刺すと、ルーニーはファンの下へと駆け寄り、仲間たちと歓喜の雄叫びを上げた。

単独最多、19度目のリーグ優勝。マンチェスター・ユナイテッドはついに歴史を塗り替え、フットボールの"母国"で「もっとも成功したチーム」となった。

そして、さらなる栄光を目指す闘いは続く。5月28日、スペイン王者バルセロナとの頂上対決。通算4度目の欧州王座へ向けて、"赤い悪魔"の進撃は止まらない。